空き家リフォーム補助金の是非

大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。

空き家問題において、有益な記事がございましたので、ご紹介します。
なお、写真は都合上掲載しておりません。

~~~~~~以下はホームズプレスより~~~~
http://www.homes.co.jp/cont/press/opinion/opinion_00175/
空き家対策の「愚」

[オピニオンリーダー]アーキネット代表・横浜国立大学先端科学高等研究院客員教授
織山和久
2017年 01月24日 11時04分

筋違いで狡猾な空き家対策

2016年12月…報道発表された空き家対策は、あきれるほどに愚かである。すぐにでも撤回して、固定資産税等の資産課税の正常化を目指すべきである。

公表された空き家対策の内容は、空き家の持ち主には改修のために100万円の補助金を配り、入居者である子育て世代や高齢者には月4万円を家賃補助する、というものだ。空き家活用と生活保障を両立させた妙案というつもりだろうか。これは愚案としか言いようがない。

まず空き家にした責任のある持ち主に補助金を、それも私有財産に、というのが、そもそも公的な政策の範囲を踏み外している。実態として都区部の空き家の7割は、賃貸アパートである(注1)。老朽化し、あるいは狭小すぎて借り手に好まれないのに、改修して何ともなるものでもなかろう。家賃補助にしても、対象者が限られるので不公平である。家賃を補助するから古アパートに住め、というのは道理に合わない。しかもこうした対策に、空き家や民間賃貸住宅の登録制度の創設もこっそり忍ばせ、省益を確保しようとする。本来、住宅流通制度などは民間に任せるべきもので、公費を投入して民業を圧迫すべきではない。

表面的なレベルで評価しても、愚にもつかない政策である。
.
外部不経済の増長

もう一歩、議論を深めてみよう。

そもそも空き家問題が政策課題になったのは、外部不経済を発生させているからだった。
都区部の空き家のうち68,670戸は木造家屋 *1で、大地震のときには大規模な延焼を引き起こす元になる。首都直下型地震の被害想定では、建物全損全体85万棟のうち火災焼失65万棟(76.5%)、建物被害額は55.2兆円なので、単純に割合から計算して被害想定額は約42兆円、これらのうち31.9%(注2)、21万棟ほどの延焼危険建物を選択的に不燃化すれば、通常時の消火活動がないとしても延焼は防げる。単純計算で、一棟当り2.6億円もの外部不経済を引き起こす恐れがある(注3)。こうした空き家のうち32%が「腐朽・破損あり」、ゴミ屋敷になったり不法投棄を招いたり、といったように周りの住環境を損なう。狭小区画で建て込んでいる場合は、そうでないときより25%も地価を下げることが推計されている。

そもそも他の納税者の負担で都市インフラ・サービスを受けていながら、戸建てゆえに容積を余した上に空き家にして都市空間を無駄遣いしているのも不公平な話である。それだから措置法では、「特定空き家等」として勧告を受けたときは、住宅用地特例の対象から除外されることになっていたはずだ。

それなのに今回は、空き家の改修に補助金をつけ、老朽木造家屋を延命させるのでは、元々の目的に全く反する。延焼は防げない、狭小・老朽化で景観を損ない続ける、容積は余したまま、とまるで支離滅裂である。
.
空き家問題の本質

問題の本質を捉えるには、どうして空き家が結構な割合で発生するのか、を考えてみるべきだ。そこには、都市空間を十分に生かしていなくても、持ち主が平気でいられるというインセンティブの問題がある。

まず、都区部で空き家率が11.3%に及ぶことが問題視されているが、そもそも都区部の指定容積率256%に対して概算容積率155%に過ぎないことに着目しなければならいい。要するに、都区部の空間は60%しか使われず、そのうち11%が空き家、というのが全体像である。空き家問題は氷山の一角で、40%もの潜在的な都市空間が生かされていないことが根本にある。もしこの潜在的な都市空間が十分に生かせれば、都心10km圏内にいまの都区部の延べ床面積がそっくり収まるほどの規模だ。従って、タワー公害を引き起こすような、高層化を前提とした容積率緩和策も不要なことは言うまでもない。

なぜ低利用のままなのだろうか?
それは土地の保有コストが格安なので、戸建てにしたり、空き家にしたり、と空間を無駄にしても、持ち主には大して負担が生じないからだ。シャウプ勧告に従って本来なら固定資産税と都市計画税は、土地資産価格の1.7%が毎年かかるはずだった。でも土地面積が200m2以下だと、課税標準額が1/6にまで減免される。しかも課税標準額は公示地価の7割、公示地価は実勢価格の8割ぐらいなので実勢価格の6割弱。そうすると土地資産課税は実質0.16%にしかならない。1億円の土地に対して、本来、毎年170万円課税されるところが、16万円で済むことになる。こうして、空間効率に劣る小規模宅地の木造戸建てが、貴重な都市の土地の大半を覆うことになった。

加えて相続税も小規模宅地では減額割合は80%にもなる。どれほど都市部の土地持ちが優遇されているかが良く分かる。ちゃんと課税されていれば、1億円の土地なら年170万円の税負担を賄う必要があるので、空き家とか駐車場とかにはしていられない。古アパートを自力で建替えて、入居率を上げないと回らない。

.
固定資産税の正常化

もともと都市部の土地が高騰するのは、都市集積によって高い生産性(賃金)を求めて人が転入するからである。そして土地価格は、結局、どの地域でも実質の生活水準が同等になる(便利なところは家賃も物価も高くなるので、その分所得が高くでも実質の生活水準は同じになってしまう)ところで落ち着く。

こうして都市集積による高い生産性は、すべて土地代、つまり土地所有者の土地差益になって吸収される(注4)。このことから空き家の所有者や低利用の地権者は、都市の外部経済を不労所得で独り占めする上に、外部不経済を招いていることが分かる。実際、日本では所得格差より資産格差の方がずっと大きいのだ。
 
 ジニ係数でも所得は0.311に対し、貯蓄現在高は0.571、土地・宅地資産は0.579にものぼる *2。都区部の個人宅地の35.2%はわずか5万1千人に保有されているほどだ *3。この偏りは、暴動が起きてもおかしくない水準である。固定資産税はこうした土地差益を、街づくりを担う自治体に還元して都市空間をより生かす、そして不労所得による資産格差を是正する、という非常に優れた特性を備えた税制である。

このように空き家問題を掘り下げて検討していくと、そのもたらす外部不経済と資産格差を元から解消する政策として、固定資産税他を正常化することに行き着く。正常化されれば、空き家にしたり、土地付き一戸建てにこだわって都市空間を無駄遣いする動機は地主はいなくなる。空き家で放置されて固定資産税を滞納している状態なら、速やかに差押え・競売で回収して、いわば持ち主負担で空き家は解体・除去される。

 また、接道不足で単独では建替えできない区画でも、周りの4~5区画とまとめて組合方式で共同建替えすれば、特段の補助等がなくても不燃化はできる。こうすれば空き家対策の延長で、潜在的な都市空間を十分に生かし、不燃化によって震災にも強い街並みをとつくることができる。

資産課税とベーシックインカム

以上のように根本から考えていけば、都市の外部不経済の解消と生活保障は、空き家対策と称した改修補助金と家賃補助ではなく、資産課税とベーシックインカムの組み合わせに行き着く。

まず、固定資産税の正常化に合わせて、金融資産等への資産課税の税率も一律にして網羅的に課税することが望ましい。不動産も金融資産も公平に扱って、資産市場間を歪めないためである。簡単に試算しよう。非金融部門の純金融資産は1,998兆円(日本銀行 資金循環表)、これに2%を課税すると税収40兆円、付加価値税10%として39兆円、これに固定資産税22兆円(2%)なので、総計101兆円になる。現状の歳入で国税58億円、地方税37億円、総計95億円(総務省 平成26年度決算額)なので、所得税や住民税はゼロにしてもこれを上回る。したがって一般世帯や一般企業にとって税負担は和らぐ。

そして生活保障としては、成年に一律に月5万円を支給するベーシックインカム制度(注5)に一本化する。奇妙な家賃補助制度は論外だ。現在の社会保障制度では、受給までに煩雑で時間のかかる手続きと裁量余地が残り、官僚の人件費だけで13.6兆円(注6)が費やされている。このような過剰な官僚組織が、ベーシックインカム制度によってそっくり省ける。ベーシックインカムの支給手続きは、銀行の自動送金サービスで済む。こうして、より公平な社会になるし、都市空間も十分に生かされる。空き家問題の根本を見直していくと、これらが本筋として浮かび上がる。

局所的で支離滅裂な制度を、既成の複雑怪奇な制度に上乗せするのはもうやめよう。
問題とは、浅くとらえて複雑に解くのではなく、深くとらえて簡潔に解くものだ。空き家問題を議論の切り口として、国家百年の計で、資産課税とベーシックインカム制度による公平で簡素な制度にまとめていくようにすべきではなかろうか。

注釈:
注1)都区部の空き家総数587,320戸のうち、415,360戸は賃貸用集合住宅であり、これらは市場ニーズに合わないので空き家になっている。
注2)都区部の火災危険度の最も高いランク5の全84町丁における延焼危険建物の割合。
注3)建築統計年報によると、木造建物1棟あたりの工事費は平均1,902万円なので、被害想定の経済損失額はこの4倍以上に当たる。
注4)このことは、都市経済学では資本化仮説として知られている。
注5)未成年にはその半額とすれば、合計69.6兆円になる。
注6)国家公務員 のうち、防衛省職員や独立行政法人職員、裁判官などを除いた非現業職員数は275千人。地方公務員 のうち、教育・警察・消防・公営企業会計部門(病院・水道・交通など)などを除いた一般行政職員数は909千人。国家公務員一般職の平均年収 は6,328千円、地方公務員一般職員では、7,150千円とされている。これらを合計して、福利厚生費等を加味して1.7倍すると14.0兆円になる。そのうち国税庁分の0.4兆円を引いて、13.6兆円が再分配に関わる行政コストと言える。

参考資料:
*1 総務省「平成25年住宅・土地統計調査」2016
*2 総務省「平成21年全国消費実態調査」2011
*3 東京都「東京の土地 2013」2014
~~~~以上はホームズプレスより~~~~

私は資産課税及びベーシックインカムに反対です。
しかしながら、ここでは詳しくは論じません。

織山和久氏は空き家対策は愚策だと主張しています。

>>公表された空き家対策の内容は、空き家の持ち主には改修のために100万円の補助金を配り、入居者である子育て世代や高齢者には月4万円を家賃補助する、というものだ。空き家活用と生活保障を両立させた妙案というつもりだろうか。これは愚案としか言いようがない。

>> まず空き家にした責任のある持ち主に補助金を、それも私有財産に、というのが、そもそも公的な政策の範囲を踏み外している。

空き家という状態にしてしまった所有者に対して、補助金を支給するのは『モラルハザード』を引き起こすわけですから、この主張には説得力があります。また、原理原則論からも批判しているということなのでしょう。
空き家問題の本質を捉えるべきだと織山氏は主張します。

>>問題の本質を捉えるには、どうして空き家が結構な割合で発生するのか、を考えてみるべきだ。そこには、都市空間を十分に生かしていなくても、持ち主が平気でいられるというインセンティブの問題がある。


つまり、土地を有効活用しなくてもデメリットが少ないと。
言い換えるならば、土地の保有費用が異常に少ないということのようです。

土地の保有費用が高いとそれ以上の利益を生むように活用しなければ、赤字になってしまいます。
であるならば、土地の有効活用を積極的に行い、それが無理なのであれば、他人に土地を譲るという選択もあります。
そして土地の有効活用ができる人間が資産を築き、税収も増えるわけです。

要するに、土地の保有費用である固定資産税を上げるしかないわけですよ。

>>実際、日本では所得格差より資産格差の方がずっと大きいのだ。ジニ係数でも所得は0.311に対し、貯蓄現在高は0.571、土地・宅地資産は0.579にものぼる *2。都区部の個人宅地の35.2%はわずか5万1千人に保有されているほどだ *3。この偏りは、暴動が起きてもおかしくない水準である。

これは驚愕の数字です。
念のため精査する必要がございますが、これが本当ならば固定資産税の税率引き上げで格差是正を行わねばなりますまい。

私は先日、空き家に課税する具体的税制を考えてみた件という記事で空き家所有税を提唱しましたが、新たな税金を創設するのではなく、固定資産税の税率引き上げで対応しようと考えております。

柔軟に考えを改めております。

非使用住戸所有税(通称「空き家駆逐税」)を新規住宅建築税(通称「新築抑制税」)に名称を変更して、再度理論構築を試みようと考えております。

空き家課税と新築抑制税のダブルパンチで一気に住宅の流動性を高め、住宅の質を変えてみたいと思います。

以上です。
人気ブログランキングに参加しております。
よろしければクリックをお願い致します。

人気ブログランキングへ

モッピー!お金がたまるポイントサイト

【ご紹介】
反逆する武士uematu tubasaが『消費税廃止への進撃』を出版しました。
消費税廃止への進撃
以下では「現在公開可能な情報」を一部ご紹介。
日本経済に少しでも関心がおありでしたら、ご購入をお勧めします。

◆効果・効能◆
経理担当者が読むような実務書を参考にして、消費税に関する基礎知識を簡潔にまとめ、わかりやすく説明しました。
マクロ的観点とミクロ的観点から考えて、消費税の存在そのものに疑問を呈している電子書籍となっています。
そもそも経済とは何か、そもそも税金とは何かという政治経済の根本を見つめ直すことができます。
消費増税を簡単に口走る政治家、知識人、エコノミストの妄言を駆逐することができます。


★★★
uematu tubasaは国会議員へ「消費増税の阻止してほしい」と陳情している日本国民です。
本書の販売による純利益は陳情するための交通費になります。
★★★

◆利益の一部寄付◆
本書を1冊ご購入につき20円を拉致被害者家族会へ寄付します。
2015年8月30日に第1弾の寄付を行う予定です。
どのような形で寄付するのかといった詳細に関しては後日『反逆する武士』にて発表します。
『反逆する武士』参照URL:http://hangyakusurubusi.blog.fc2.com/

◆対象読者◆
本書は以下に該当する日本国民向けに書きました。ご購入をお勧め致します。
1、日本経済の復活を望むが具体的に何から始めるべきかわからない日本国民
2、日本国内で豊かな生活を送りたい、もしくは少しでも現在の経済的苦境から抜け出したいと考えている日本国民
3、世界最強のエコノミストを目指している日本国民

====加筆修正予定====
2014年12月8日に大規模な加筆修正を行いました。現在第5版です。
誤字脱字や事実誤認などございましたらお気軽にメールをお送りください。
歴史に爪痕を残す電子書籍にするために、読者の皆様から送られてくるメールが頼り。
首を長くしてお待ちしています。
反逆する武士のメールアドレス:rebelbushi@gmail.com

※※※補足情報※※※
本書はMicrosoft Office Word2010を使用して作成されました。
加筆修正を随時行っていきますので、何卒ご理解の程をお願い致します。
【字数】現在約5万9000字
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

uematu tubasa

Author:uematu tubasa
平成生まれの尊皇攘夷派で、某国立大学の経済学部出身の
uematu tubasaと申します。

失業と低所得と借金に負けない!
私は戦う、この残酷な世界で!

北朝鮮の核実験がきっかけで政治に興味を持った若者です。
『消費税廃止への進撃』
『ビジネスの種を蒔け』
『究極の空き家対策』を出版しました。
『家賃半額(仮)』と『住宅資産倍増計画(仮)』を出版する予定です。

日本核武装論の出版が中期的目標です。

核武装推進論者、ネオクラシカルリアリスト(新古典派現実主義者)、地政学の基礎は理解しております。

自主憲法制定論者(現行憲法破棄、大日本帝国憲法改正)、女系天皇公認論者、暫定的な保護貿易協定推進論者、消費税廃止論者、経済ナショナリスト、公的家賃補助導入論者、対米自立論者、日米同盟堅持論者、反特定亜細亜、移民拒絶論者。

すべての売国法案に反対しております。

基本的には政策論を中心に書いております。国会議員の事務所へ陳情します。

ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

好きな漫画:ゴーマニズム宣言、金色のガッシュ、3月のライオン、進撃の巨人、もやしもん、ダイヤのエース、黒子のバスケ、銀の匙、鋼の錬金術師、ハイキュー!! アルスラーン戦記

好きなPCゲーム:泣きゲー全般(主にKey作品)

好きな食べ物:そば、寿司、天ぷら、おにぎり、トマト、ピザ、パスタ、ソーセージ、ポトフ、フィッシュ&チップス、ペペロンチーノ、フライドポテト。

好きな飲み物:緑茶、麦茶、カシスオレンジ、果実系ジュース、CCレモン、日本酒

好きな女性のタイプ:明るくて家庭的な日本人女性

趣味:読書(核戦略、地政学、国際政治学、経済学など)とジョギング(1日往復10kmを週に2日ぐらい)

特筆事項:性別は男性(遺伝子組み換えではない) 両親共に日本人

特にルールはありません。自由にコメントをお願い致します。

※常識の範囲内でコメントを削除する可能性がございます。ご了承ください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
反逆する武士のツイッター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR