北朝鮮のミサイル発射はサイバー攻撃によって失敗したのではない

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~~~~~~以下はNEWSWEEKJAPANより~~~~~~
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7496.php
北朝鮮ミサイル実験「失敗」の真相
Are North Korea's Missiles Failing?
2017年4月27日(木)11時00分 ジェフリー・ルイス(軍縮問題専門家)
北朝鮮 ミサイル 多数発射
今年3月に北朝鮮が実施したミサイル発射実験とされる画像(韓国国防部は失敗したと推測) KCNA/REUTERS

<米軍がサイバー攻撃を仕掛けて北朝鮮のミサイル実験を妨害しているという憶測は、単なる夢物語にすぎない>

もう忍耐はやめた。圧力も関与も猛烈にやるぞ。それがドナルド・トランプ米大統領の新しい対北朝鮮政策らしい。威勢がいいのは確かだが、その中身は過去30年間の成果なき政策の焼き直しにすぎない。

がっかりした人が多いのだろう。だから失望のあまり現実に背を向け、空想の世界に救いを求める人が出てきた。アメリカが北朝鮮にサイバー攻撃を仕掛け、そのミサイル発射システムを混乱させている、失敗が相次いでいるのはその証拠だ、という素敵なストーリーである。

この夢物語の出所は、デービッド・サンガーとウィリアム・ブロードの両記者がニューヨーク・タイムズ紙に書いた記事だ。それによると、オバマ前米政権は3年前から、かつてイランに仕掛けたのと同様のサイバー攻撃を北朝鮮に続けているらしい。

アメリカがこの2つの国のコンピューターネットワークへの侵入に関心を抱いているのは間違いないし、実際に多少のことはしているだろう。だからといって、実際に北朝鮮のミサイルを操って海に落としているとは考えられない。

というのも、北朝鮮によるミサイル発射実験の失敗率は必ずしも高くないからだ。

最初の標的はイランの核

サンガーとブロードは、オバマが14年に決断を下した直後から「北朝鮮の発射した軍事用ロケットの爆発や軌道逸脱、空中分解、落下が増えている」と論じている。しかし単純な事実を確認してみれば、そうではないことが分かる。

14年以降、北朝鮮が実施した発射実験は66回。そのうち51回は成功しているのだ。アメリカがハッキングしていたとしたら、ごく少数しか失敗させられなかったことになる。打率は2割3分。とても大リーグで通用する成績ではないし、核ミサイル攻撃を防ぐ役にも立たない。

失敗した15回についても、その大部分が「新型」、つまり開発中のミサイルの試射だったことが分かっている。未完成である以上、失敗は想定内。何しろ「失敗は成功の母」だ。

昨年以降に失敗が増えたのは事実だが、その大部分は4種の新型ミサイル。中距離弾道ミサイル「ムスダン」(7回失敗)、潜水艦発射弾道ミサイル(3回)、正体不明の大陸間弾道ミサイル(2回)、対艦ミサイル(2回)だ。一方、スカッドやノドン(韓国と日本の駐留米軍への核攻撃に使用できる短・中距離ミサイル)の発射実験はおおむね成功している。

新型ミサイルは、信頼性の高い在来型に比べて失敗の確率が高い。だからこそ英語では、複雑で難しい課題の例えとして、よく「ロケット科学」という語が使われる。そして北朝鮮は、当然のことながら失敗から多くのことを学んでいる。

失敗を経験し、それを克服すること。そうしてこそ信頼性の高いロケットが完成する。かつて「オールド・リライアブル(信頼できるもの)」の愛称で呼ばれたアメリカ初の大型ロケット、レッドストーン(アメリカ初の有人宇宙飛行に使われた)にしても、発射実験の最初の10回中9回は失敗だった。

北朝鮮のミサイルも発射直後に爆発したり(06年)、海に墜落したり(09年4月と12年4月)と失敗を繰り返してきた。私たちがそれを笑っていた一方で、北朝鮮の優秀な科学者たちはその原因を究明し、問題の解決に取り組んでいた。

できっこないと思われていたことを、彼らは現にやってきた。12年12月と昨年2月、人工衛星の打ち上げと称した弾道ミサイル発射に成功した。空を見上げれば、今も彼らの人工衛星「光明星」は地球周回軌道を回っている。

このところ失敗が目立つとしても、それはアメリカによるハッキングの結果ではない。彼らが新たなシステム(改良型の液体燃料、固体燃料式ミサイルなど)の開発に取り組んでいるからだ。そうしたものの多く(とりわけ固体燃料式ミサイル)は今や成功している。そして北朝鮮のエンジニアたちは、その他のシステムについても成功させるか、あるいは失敗から学んで改良を行っていくはずだ。

サンガーとブロードの主張には、もう1つ厄介な問題が潜んでいる。アメリカが北朝鮮のミサイルのハッキングに成功していたとすれば、イランのミサイルにもハッキングを行っているのではないかという問題だ。

北朝鮮とイランはミサイル開発で緊密に協力しており、片方をハッキングせずにもう一方だけをハッキングするのは無意味かもしれない。そもそも最初にサイバー攻撃の標的となったのはイランの核開発計画だった(スタックスネット・ウイルスでイランの遠心分離機を破壊した事例は有名だ)。

しかしイランのミサイルは墜落していない。そしてスタックスネット攻撃にしても、イランの開発者たちをいら立たせるくらいの効果しかなかった。確かにあのウイルスは多数の遠心分離機を損壊させ、数カ月にわたってイランのウラン濃縮計画を遅らせた。しかし15年の核合意で開発を制限されるまでに、イランは何千もの遠心分離機を新たに導入していた。

アメリカが北朝鮮のネットワークへの侵入を試みていない、と言うつもりはない。アメリカはおそらく、北朝鮮の新世代コンピューター制御型工作機械を制御するシステムへの攻撃に強い関心を持っているだろう。しかしサイバー攻撃が北朝鮮に決定的な打撃を与えていると信じる証拠は見当たらない。

ではなぜ、アメリカがハッキングによって北朝鮮のミサイルを墜落させているという夢物語がここまで広まったのか。

いつの世にも、政治的な圧力が効かない現実を認めるのは難しいものだ。長年にわたり「絶対に受け入れられない」としてきた現実(北朝鮮の核武装)を受け入れざるを得ない日が近づいている今は、なおさらだ。

「空想」を少しでも長く

北朝鮮のミサイル危機は長い時間をかけて進行してきた問題だが、アメリカ国民はなぜか今になって初めて、それを意識している。彼らは無力感を覚え、政府が何かをしてくれることを期待している。

そんな彼らには、トランプ政権の打ち出した強硬姿勢でも何一つ変わらないという事実を受け入れる準備ができていない。どこかで誰かがひそかに国を守ってくれていると信じたいのだ。

もう1つの理由は、米共和党支持者がどうしてもトランプを応援せずにいられないことだ。アメリカ人の半分は、トランプについていくのは危険だと確信している。だが一方にはトランプ(と共和党)の熱心な支持者がいて、あの男は実力以上の役職に就いてしまった単なるペテン師ではないと、何とか信じ続けたいと願っている。

だから彼らは、トランプが「北朝鮮にミサイル実験など行わせない」とツイートした後にミサイル実験が行われ、それが失敗に終わると、その予想外の幸運を「トランプのおかげ」だと持ち上げたがる。これは心理学者の言う「根本的な類推の誤り」、つまりカルト教団の信徒によく見られる現象だ。

全ては危険な空想だ。現実は違う。トランプ政権は訳が分からずに結局はオバマ政権やブッシュ政権が依拠したのと同じ戦略にすがり、新しい服を着せているだけだ。こんなアプローチの行き着くところは絶望的な麻痺状態、つまり戦略的な奇跡を忍耐強く待つことだ。

それでもハッキングの夢を見続ければ、しばらくは絶望のどん底に落ちないでいられる。北朝鮮のミサイル発射実験の失敗は拡大し続ける軍事的脅威の「生みの苦しみ」ではなく、アメリカの力や知恵、それに優れたテクノロジーの証しなのだと想像することができる。

「ハッキングによって、北朝鮮のミサイルの脅威を阻止することができる」――そう信じるアメリカ人は、見たくない現実から目を背けている。失敗しているのは北のミサイルではない、アメリカの政策だ。

From Foreign Policy Magazine
[2017年5月2&9日号掲載]
~~~~~~以上、NEWSWEEKJAPANより~~~~~~

拙ブログでも取り上げた北朝鮮のミサイル発射に関してなのですが、
どうやら米国のサイバー攻撃によって失敗したと妄想している御仁がいらっしゃるようでして・・・

>>アメリカがこの2つの国のコンピューターネットワークへの侵入に関心を抱いているのは間違いないし、実際に多少のことはしているだろう。だからといって、実際に北朝鮮のミサイルを操って海に落としているとは考えられない。

ジェフリー・ルイス氏もこのように主張しておりますが、当然です。
北朝鮮のような閉鎖空間において、サイバー攻撃は容易ではありません。
そもそもサイバー攻撃するための経路であるネットワーク構築すら極度に困難です。

コンピュータウイルスを注入したり、膨大なデータを一挙に送信したりするためには、ネットワークを構築しなければなりません。そういったことは北朝鮮の軍人や技術者も理解しておりますので、海外からアクセスできるネットワークからミサイル関連の施設や設備を隔離しているはずです。

さらに付言すれば、ミサイルを制御するプログラムを保護するために、北朝鮮国内のネットワークからも遮断されていると考えるのが自然でしょう。
したがって、北朝鮮のミサイル発射実験の失敗が米国のサイバー攻撃によるものだというのはです。

IT(情報技術)というものの根幹が理解されていないというのは悲しいことです。
北朝鮮のミサイル技術が磨かれているという現実を受け止めたくないだけなのではありませんか?

ある意味信じたい幻想を信じるカルト宗教の信者と言われても仕方ないでしょう。
北朝鮮はアメリカを筆頭とした西側先進民主主義国家からしたらあまりにも異質の国家という意識が強すぎるのではありませんか?

北朝鮮は政治体制という点では異質です。しかし、国家行動という点からは正統派と言える部分もございます。
世界中を敵に回しても自国の生存のためにミサイル技術と核開発に全国力を注ぐ。
ある意味国家の根源的な行動を見せられているのです。

我が国日本のように国際法違反の占領政策基本法を金科玉条の如く扱う国家とは違うのです。
我が国日本のように自国の安全保障を他国に委ねるような愚かな国家とは違うのです。

記述していて本当に悲しいことですが、そういった現実をしっかりと受け止めなくてはなりません。
北朝鮮という国家と真剣に対決し、そして勝利するためにも北朝鮮という国家を冷静に分析するべきです。

※私は北朝鮮を褒め称えているわけではありません。ただ厳しい現実と向き合うことの大切さを説明しました。

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Author:uematu tubasa
平成生まれの尊皇攘夷派で、某国立大学の経済学部出身の
uematu tubasaと申します。

基本情報技術者、電子書籍作家。

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北朝鮮の核実験がきっかけで政治に興味を持った若者です。
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『ビジネスの種を蒔け』
『究極の空き家対策』
『家賃半額』を出版しました。

『住宅資産倍増計画(仮)』
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日本核武装論の出版が中期的目標です。

核武装推進論者、ネオクラシカルリアリスト(新古典派現実主義者)、地政学の基礎は理解しております。

自主憲法制定論者(現行憲法破棄、大日本帝国憲法改正)、女系天皇公認論者、暫定的な保護貿易協定推進論者、消費税廃止論者、経済ナショナリスト、公的家賃補助導入論者、対米自立論者、日米同盟堅持論者、反特定亜細亜、移民拒絶論者。

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基本的には政策論を中心に書いております。国会議員の事務所へ陳情します。

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好きな女性のタイプ:明るくて家庭的な日本人女性

趣味:読書(核戦略、地政学、国際政治学、経済学など)とジョギング(1日往復10kmを週に2日ぐらい)

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