災害バランスシート不況に陥る可能性があります。【拡散希望】

四重ローンで苦境に立たされる農家、漁業関係者の方々は本当に厳しい状況ですよね。

バランスシート不況とは? 

マクロ経済に詳しい方にはわかると思いますが、リチャード・クー氏のバランスシート不況が東北地方を中心に発生する可能性が高いと思います。

バランスシート不況の提唱者のリチャード・クー氏によりますと【詳細はリチャード・クー (楡井浩一訳)『デフレとバランスシート不況の経済学』徳間書店、2003年 リチャード・クー『「陰」と「陽」の経済学』東洋経済新報社、2007年 リチャード・クー『日本経済を襲う二つの波』徳間書店、2008年 リチャード・クー・村山周作『世界同時バランスシート不況 金融資本主義に未来はあるか』徳間書店、2009年を参照】

バランスシート不況はまず、バブルが発生することから始まる。バブルが発生して、日本においては、日本株、商業用不動産、ゴルフ会員権などの資産価格が急騰する。
 そして、中央銀行の利上げなどが原因の資産価格暴落でバブル崩壊を迎える。

 バブル崩壊後において企業の行動原理が利潤の最大化から債務の最小化に変化してしまう。なぜかというと企業の借貸対照表(バランスシート)において資産価格が暴落したとしても、債務は全く変化しないからである。

バランスシートという用語が出てきたので説明しよう。

 バランスシートとはその経済主体(個人、企業、政府など)の全ての金融資産、及び金融負債を計上した財務諸表である。
例えば、筆者が「現金」を300万円持っており、その他負債は持っていないと仮定する。
その場合、筆者のバランスシートの借方(左側)に「現金 300万円」が計上されるが、貸方(右側)の負債はゼロである。

 結果、資産から負債を差し引いた「純資産」が貸方に計上され、バランスシートが一致、すなわちバランスする。
【私のバランスシート】
借方      貸方       もし、私が第三者から200万円を借りていた
                 のであれば、この貸方に負債200万円が計上さ
                 れて、純資産が100万円となる。
 資産      純資産     
 300万円   300万円   いずれにしてもバランスシートの左右は一致するのである。
                 誰かの資産は誰かの負債、誰かの負債は誰かの資産である。



 ここで、バランスシート不況の概念の話に戻る。
 例えば、資産を一千万円持ち、債務が一千万ある企業が存在していたとする。しかしバブル崩壊により、資産価格が300万円にまで下落してしまうと、700万円の純債務に陥ってしまい、借金返済しなければならなくなる。
 債務超過企業であることが投資家、株主、銀行からの評価ダウンの要因になってしまうからである。

 よって企業が「利潤の最大化」から「債務の最小化」に行動原理がかわってしまうのである。

 「利潤の最大化」とは民間企業において金融機関からお金を借りて、投資を行うということである。
 「債務の最小化」とは民間企業において金融機関から借りていたお金を返済してバランスシートを修復しようとすることである。

 企業が金融機関からお金を借りず、金融機関からお金を返済する分だけ需要が失われてしまう。個々の企業にとって借金返済は合理的行動であるが、GDPにおける民間投資が著しく減少してしまう。そして供給が需要よりも大きくなってしまうというデフレ状況になり、景気後退が進行してしまうのである。

 このような個々の経済主体が合理的行動を採ったとしても、結果として誰にとっても好ましくない「合成の誤謬」が生じてしまう。

バランスシート修復が完了しなければ民間企業は「利潤の最大化」という行動を採らない。
日本のバランスシート不況は全国規模で、主に企業のバランスシートが毀損してしまった(債務がそのままで資産価格が暴落)パターンであった。

しかし、今回の東日本大震災では東北と北関東が中心ということで限定されているが、①住宅ローンがそのまま残っているのに、その住宅が津波で流されてしまった
②自動車ローンがそのまま残っているのに、その自動車が津波で流されてしまった
③新たに住宅を新築するためにローンを組まざるを得ない
④地方において自動車無しでは日常生活すら難しいから自動車を購入せざるをえない

資産がほぼ崩壊状況なのに、債務だけが累積してしまうという家計のバランスシート毀損状態が生じてしまうのである。

つまり、被災者個人が四重ローンにより所得の大部分をローン返済に充てなくてはならない、あたかもバランスシート不況による消費の低迷が生じる。

東北を本拠地にしていた企業でさえも今回の大震災で被害が生じているのだから

①工場などの供給能力を保持していた設備が津波と地震で崩壊
②新たに工場を復旧するためにお金が必要

バランスシート不況状況そのまんま。

企業にはこの大不況でお金がないところがほとんどでしょうから、設備投資できない。廃業する以外の選択肢がない。

希望なんてない。

どうするのか? どうすればいいのか?
【個人への対策】
1、ローン全額免除(政府が免除分を全額負担)をすればいい。ただし、四重ローンなどの本当に個人による返済が困難なケースにおいて。
2、ローンを半額免除(政府が免除分を全額負担)。被災してローン返済が困難な個人は基本的に申請可。
3、ローン返済を長期間に亘って猶予。

4、一時見舞金の給付(日本国籍保持者に限定、地域振興券という形での給付も可)


【企業への対策】

1、投資補助金(災害によって被害を受けた分に関しては政府が全額補助)
2、投資減税(災害で被害を受けた分以外で投資する分の50%を法人税から控除してもいい、赤字の企業は50%を補助金として現金給付を受けることができる)


つまり、個人や企業のバランスシート修復を政府が手助けするということに主眼をおいた政策が求められるのである。そして100兆円の財政出動(今年50兆円で来年50兆円でも構わない)が求められるのである。

次回は超具体的に復興財政政策にいっちゃいます。

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個人への対策だと、2と3を同時に成り立たせるのは難しいし、1も判断基準でもめる。一番現実的ですぐにできそうなのはローンの猶予と見舞金だと思います。企業再生は被災者の生活再建の要ですから、急ぎやってもらいたいものです。
バランスシートは分かりやすくて参考になりました。
プロフィール

uematu tubasa

Author:uematu tubasa
平成生まれの尊皇攘夷派で、某国立大学の経済学部出身の
uematu tubasaと申します。

基本情報技術者、電子書籍作家。

失業と低所得と借金に負けない!
私は戦う、この残酷な世界で!

北朝鮮の核実験がきっかけで政治に興味を持った若者です。
『消費税廃止への進撃』
『ビジネスの種を蒔け』
『究極の空き家対策』
『家賃半額』を出版しました。
『雇用、所得、物価の一般理論(仮)』
『我が国日本の海洋戦略(仮)』
『日銀は錬金術師(仮)』
『ケインズは二度死ぬ(仮)』
『なぜバターがスーパーから消えたのか(仮)』
『住宅資産倍増計画(仮)』
『天皇器官説(仮)』
『移民拒絶論(仮)』
『人口補完計画(仮)』
『地政学の強化書(仮)』を出版する予定です。

日本核武装論の出版が中期的目標です。

核武装推進論者、ネオクラシカルリアリスト(新古典派現実主義者)、地政学を国立大学の必須履修科目にするべきと考えています。

自主憲法制定論者(現行憲法破棄、大日本帝国憲法改正)、女系天皇公認論者、暫定的な保護貿易協定推進論者、消費税廃止論者、経済ナショナリスト、公的家賃補助導入論者、対米自立論者、日米同盟堅持論者、反特定亜細亜、移民拒絶論者。

すべての売国法案に反対しております。

基本的には政策論を中心に書いております。
ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

好きな漫画:ゴーマニズム宣言、金色のガッシュ、3月のライオン、進撃の巨人、もやしもん、ダイヤのエース、黒子のバスケ、銀の匙、鋼の錬金術師、ハイキュー!! アルスラーン戦記

好きなPCゲーム:泣きゲー全般(主にKey作品)

好きな食べ物:そば、寿司、天ぷら、おにぎり、トマト、ピザ、パスタ、ソーセージ、ポトフ、フィッシュ&チップス、ペペロンチーノ、フライドポテト。

好きな飲み物:緑茶、麦茶、カシスオレンジ、果実系ジュース、CCレモン、日本酒

好きな女性のタイプ:明るくて家庭的な日本人女性

趣味:読書(核戦略、地政学、国際政治学、経済学など)とジョギング(1日往復10kmを週に2日ぐらい)

特筆事項:性別は男性(遺伝子組み換えではない) 両親共に日本人

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