日本的経営と成果主義

はじめに
 筆者がこのレポートを書こうと思った理由は、日本的経営と成果主義は、絶えず日本経済について語る上で問題となってきたという経緯があるからである。
不思議なことに、日本経済が好調な時は日本的経営が肯定され、不調の時は否定されて、評価が一定ではない。
「日本的経営と成果主義を考えてみれば、少しは日本経済を理解できるのではないか? 」という淡い期待を持って日本的経営と成果主義を解きほぐしていきたいと思う。

 このレポートの目的はとても偏っていると思われるかもしれないが、『日本的経営は極めて優れている』、『成果主義は導入すべきではない』ということを主張し、筆者の考える《より良い日本的経営》を提示することである。
 日本経済の復権のためには「日本的経営」の素晴らしさを日本企業に勤めている日本人ひとりひとりが理解しなければならないと思う。
 外国の経済学者、経営学者などの「日本的経営」を馬鹿にする妄言を一蹴したい。第一章 日本的経営の特徴と強み
 第一節 終身雇用制
 終身雇用制は厳密に言えば、終身ではなく定年までの長期的な雇用関係のことである。この制度により、日本経済に失業問題を回避させ、労働者の企業への忠誠心を高めている。
 終身雇用制は新卒者の一括採用を必要とする。企業が長期的に維持発展するためには、企業に従順な社員が参加することが望まれる。そこで、大学を出たての新人を採用して、企業内で訓練を行うことによって、企業に必要な知識や技能を蓄積させることになる。
 
終身雇用制度のメリットを以下に述べる。
 雇用の安定である。労働者にとって雇用の安定は非常にありがたいものである。社会的に見ても失業の緊張が少なく、安定した社会を実現できることは大変望ましい。
 長期に雇用されれば、その被雇用者に関する情報は企業内に蓄積され、労働者間及び労使間に協調関係を作っていく上で非常に有利である。
 企業に対する忠誠心を高め、勤労モラルを高めることになり、生産性の向上に役立ち、
解雇がないことは、その企業に適した技術を企業内に蓄積することが可能になり、生産性の向上に寄与する。
 また、企業内での教育、訓練の成果、研究開発、製造技術の習熟などが、終身雇用制のために外部に流出することがない。これらに対する投資の利益が確実に回収されることとなり、企業内での教育・技術開発へのインセンティブ(やる気を起こさせるような刺激)になる。
 
 終身雇用制度のデメリットを以下に述べる。
 企業が労働者を自由に解雇できないので、当然のことながら不況時には大きな赤字を生むことになり、低い配当になり株主の利益を阻害することになる。
 不況時には賃金が引き下げられることがある。

 しかしながら、デメリットの面に関しては、日本企業は欧米企業のように「会社は株主のものである」という株主至上主義的な考えではなく、「会社は従業員のものであり、社会の公器である」といった考え方で、長期的な発展と繁栄を重視する経営を続けてきた。
 よって、配当は低く抑えられるし、従業員は一時的に我慢して企業と強調行動を採る。
具体的には、一時帰休制度(操業短縮などの場合、従業員を一時的に休職させる制度のことで、この間は休業手当が支払われる。政府から雇用調整助成金が支給されるので企業にとって有利と言われている)、サービス残業、賃金引き下げ、役員報酬の削減、希望退職者の募集、配置転換(後述する)、出向(後述する)などを実行し、従業員を解雇させないようにする。

 日本的経営における人事制度には終身雇用制に加えて、次のようなものがある。
1、 定年制度
 終身雇用制度は一定の年齢までの雇用を保障するものであるが、後述する年功序列賃金制度は勤続年数によって賃金を保障する制度であるために、一定の年齢で終わらせなければ賃金が異常に高くなる。
 定年は外国にもあるのだが、その年齢が低いのが特徴であった。
 一般に内部昇進制度(後述する)により、組織のピラミッド構造を維持するためにも定年を設ける必要がある。
 ピラミッド上位のポストの若返りを図ったりする場合には機械的な定年制の方が効果的であるからである。

2、内部昇進制度
 「日本的経営」の重要なポイントの1つに、経営者が従業員の中から選抜されること、つまり、内部昇進制度が挙げられる。
 本来、経営者は株主の代理人として資本家の利益を守ることがその任務となる。
 企業の目的がその株主の利益を最大化するという(株主至上主義)ものであれば、最も経営能力のある者に経営を委ねるのが適当になる。
 本来、経営者を任命する権限のある資本家にとって自らの利益を確保できるのであれば、能力さえあれば誰でもよいはずである。
 したがって、より多くの人材のいる企業の外部から登用するのが最も効果的である。
 しかしながら、外部からの人材は一般的な経営能力に優れていても、実際に要求される、企業内の情報、知識や、企業に必要で独特な能力は持っていない。
 よって、実際の経営には著しい困難が生じてしまう。
 終身雇用制度では従業員(社員)を経営者や管理者としての訓練を行うことができる。
 よって、その企業の未来を託すことができる人材の育成ができるのである。
平たく言ってしまえば、「現場を知らないやつはトップに立つな! 」ということである。
 さらに、内部昇進制度は労働者のインセンティブとして重要な手段と考えられており、重役への昇進を目指すホワイトカラー(従業員のうち、知的・技術的労働や事務・販売の仕事に就いている者のこと)のみならず、一般のブルーカラー(生産の現場で働く労働者)においても昇進のポストが用意されていることは、日本企業の特徴である。
 いわゆる「窓際」と言われる仕事の内容と関係のない昇進ポストも用意され、これによって内部昇進の多様性を確保し、勤労へのインセンティブとしようとする。
3、人事管理の集中制度
 日本企業では一般的に企業の雇用を担当する部門が一括して採用、配置、昇進、評価、昇級、解雇などの人事管理を行う。
 外部労働市場から労働者を調達することが困難なので、労働のマッチングは企業の責任となるので、人事の専門部門での管理が重要である、

4、職場でのローテーション(筆者は人事異動や配置転換などと解釈している)
 企業内で必要となる能力は時代と共に変化するのに対して、労働者は終身雇用であり、必要な能力と存在する能力の間にはミスマッチが生じる。
 この問題を解決するために訓練とローテーションが必要になる。
 必要な能力の獲得には、企業の現場での訓練が活用、企業は必要に応じて職場をローテーションさせ、必要な能力を習熟させる。
 単身赴任に代表されるように、企業の都合によって地域的なローテーションも行われる。
 ローテーションは労働者個人の適性を見極めることに役立つし、固定的な人間関係によって生じる癒着などの解消にも役立つ。

5、窓際族の存在
 ライン外にポストを作らざるを得ない窓際族は終身雇用制度の下での離職予備軍である場合が多く、その場合は企業が該当者に退職を希望していることの証でもある。

6、出向
 企業内での雇用調整が不可能となれば、関連するグループ(主に子会社)の需給のミスマッチの調整を行うことになる。
 他の会社での勤務ということになるが、片道切符の転職になることも多い。

7、OJT(on-the-job-training)
 労働者の質の向上、必要な能力の確保を図るために企業内での教育が行われる。
 日本企業の訓練の中心はOJT(現場での訓練)であり、Off-JT(研修施設などでの訓練)のウエイトは少ない。
 いわゆる先輩―後輩の関係で人材育成が熱心に行われ、企業内において人脈、人望が出世の基本であるので、自らの昇進のためにも部下の教育に積極的になる。
 これは終身雇用制度であるから成り立つ部分もある。「ポケットモンスター」で考えてみよう。草むらから出てくるポケモンをゲットして育成できるのも、ポケモンが勝手にトレーナーから逃げだしたりしないからである。
 もし、勝手に逃げだしたりするのであれば、わざマシンを使用するだろうか? 基礎能力値を向上させる“ドーピング”を行うであろうか? 他のポケモントレーナーとのバトルにおいて闘わせて経験値を稼いだりするのであろうか? 困難である。
第二節 年功序列型賃金
 日本企業はホワイトカラー、ブルーカラー問わず年功序列型賃金である。
 年功序列型賃金とは、定期昇給+定期昇進に伴う給与の上昇であり、後者は確実ではないために、年齢が高くなると共に分散が大きくなる。
 新入社員のときはあまり変わらないが、一生平社員である人と、社長にまでなった人とでは給与にかなりの差がつくということである。

 日本企業は労働者と企業を結び付けるために様々な形態の支給を行うことになる。
 日本の賃金の特徴は年功序列賃金に加え次のようなものが挙げられる。

1、ボーナス制度
 外国にもボーナス制度はあるのだが、日本のボーナスの比率は諸外国よりも極めて高く、場合によっては年間所得の半分にまで及ぶことまである。
 企業にとってみれば、ボーナスの存在は柔軟に賃金を支給することができ、企業内労働市場として完全雇用を維持する賃金水準を容易に実現することができる。
 不況時にはボーナスカットで雇用調整を回避する一つの重要な手段となっている。

2、手当の多様性
 時間や労働量と無関係な生活保障的な給与が少なくない。
 家族手当、住宅手当、通勤手当など様々な理由で支給されている。

3、退職金制度
 日本的経営において退職金の存在は特徴的である。
 老後の生活保障として重要な役割を果たすこととなり、退職金は勤続年数によって乗数が決まり、退職時の給与が算定の基礎となるので、長期勤続者に極めて有利な制度である。

4、フリンジベネフィット(企業が給与外に与える数々の利益)
 社会保険料の雇主負担などの制度てきなもののほか、社宅、住宅資金の低利での提供、独身寮、保養所、体育館、運動場その他厚生施設関連からの受益は大きい。
 フリンジベネフィットは好況時に大きく、不況時には小さくできるという柔軟性を持っており、企業にとって都合がよい。
 
 交際費は日本企業において極めて特徴的な経費であり、お客の接待に留まらず、社内交際費として社内の人間関係の形成に重要な役割を果たす。
 また、極端な場合には個人の給与の一部となっているものも少なくない。
 これらを用いて特定顧客と飲食や娯楽をともにすることで、共通の場を作り、コミュニケーションを深めて、長期的取引を強化しようとする。
 交際費の利益がお客なり当の本人なりに帰属することになるが、企業間、企業内で情報を共有することに寄与する。
 社員持ち株制度などの特定のフリンジベネフィット制度は企業への帰属意識を高め、会社の発展が個人の財産形成ともなり、モラルを向上させることに寄与する。

第三節 企業別組合
 日本的経営システムの下では、企業内部と外部労働市場との取引が少なく、労働市場は各企業に分断されている。
 
 労働者は特定の仕事を行う能力によって雇用されているのではなく、企業にとって全体として役立つ人間そのものが雇用されている。
 したがって、企業別組合が企業と交渉することで、労働者にとっても適切な分配を求めることができる。
 ローテーションがあるために、どのような職につくのかわからないので、職能別組合にならない。
 終身雇用制が前提にあるために、労働者にとっても企業の存続が重要なポイントになり、その時点での最大限の賃金の獲得が最適とは限らない。
 労働者にとって企業に協力、協調することが長期的利益になる。
 
 好況時には内部留保を増大させ、不況時には内部留保によって雇用を守る。
 労働争議によって会業の力を落とせば、企業という運命共同体を潰すことにもなり、労働者の不利益になるため、労働争議は極力抑えられる。
 交渉当事者は多くの企業情報を共有しているため、広範にわたる労働条件について極めてきめの細かい交渉を行うことが可能であり、利害が対立しても労使協調によって問題を容易に解決することができる。
 一般に、労働組合の幹部になることは企業内の昇進における出世コースである。
 組合幹部は重役となることによって組合に優秀な社員を送り込むことのインセンティブにもなると同時に、従業員代表としての経営者の性格を強くする。

第二章 成果主義は幻想
 東京大学大学院経済学研究科教授 高橋伸夫氏は、

 【「成果主義」とは、①できるだけ客観的にこれまでの成果を測ろうと努め、②成果のようなものに連動した賃金体系で動機づけを図ろうとするすべての考え方、なのである。しかも①と②はandではない。orである。
 ①と②の両方を満たせば成果主義なのではなく、どちらか一つでも満たせば、本書が批判している成果主義なのである。】(高橋伸夫、「虚妄の成果主義」日経BP社、2004年 P230~231)
 
 と規定されている。
 しかしながら、この成果主義はまったく役に立たないものであると断言する。
 まず、①できるだけ客観的にこれまでの成果を測ろうと努め、ということであるが、具体的に考えてみよう。
 毎年査定すると明言されれば、一年以内に「成果」の出る仕事ばかりやろうとして、短期的利益を追求し、長期的な利益を犠牲にする。
 各個人に目標を立てさせて、その達成度をみることにすれば、あえて低めの目標を掲げて有能な人材であることを殊更にアピールしようとする。
 成約件数を基準に挙げれば、件数を稼ごうとして、採算度外視、安全軽視で契約をとってくるものが出現する。
 客観的な基準を用いて「成果」を測ろうというのは不可能である。
 
次に、②成果のようなものに連動した賃金体系で動機づけを図ろうとするということであるが、デメリットが大きすぎる。

 1、自殺やうつ病のリスクが増加する
 もし、「成果」が上手く目に見える形で現れない場合や、「失敗」してしまったら、いきなり給与がダウンしてしまうので、常に緊張した職場環境が生じ、心が病んでしまう。人間は意外と脆いものなのである。
 しかも、自殺やうつ病により、これまでの企業がその人材に施してきた訓練や教育などが全くの無駄になってしまう。

 2、金銭的報酬でモチベーションが低下してしまう、不満に火が付く
 そもそも人間は金銭目的で仕事をするのではない。人間は面白いから仕事をするのである。
 モチベーションを上げるためには、外的な金銭的報酬による動機づけと内発的動機づけの二種類に分類されるのだが、後者の方が圧倒的にモチベーションを上昇させる。
 
 筆者の体験を述べさせてもらうと、ガソリンスタンドでアルバイトをした時に、給油が上手くいった時、仕事を成し遂げ職場の先輩に褒められた時、お客さんに褒められた時には単純に嬉しく思う。
 職務遂行(例 給油をする、お客さんに冷静な対応をする)により、職務満足するのである。これを内発的動機づけという。
 しかしながら、外的な金銭的報酬を伴うと、職務遂行→金銭的報酬→職務満足となる。
これのどこが駄目なのかというと、職務遂行と職務満足の間に金銭的報酬が介在するようになると、人はやる気を失ってしまうのである。
 つまり、外的な金銭的報酬が内発的動機づけを打ち消してしまう。金のために仕事をするようになってしまうのである。
 このようになってしまったらもうお終いである、金銭的報酬がきちんと与えられなくなると、職務満足できなくなってしまうのである。
 
 仮に、Aという上司とBという部下がいるとしよう。Bが「かなり自分は業績向上に貢献したから、100万円を賞与として貰えるであろう」と思っていたとしよう。
 しかし、Aは「この業績向上はBの貢献によるところが大きいが、賞与は10万円にしよう」と考え、実際にBに対して10万円を渡した。
 
 Bは「なんで10万円しか貰えないのだ? 」と思い、不満に思う。
 なぜこのようなことになるのであろうか? これは貢献度の評価が上司と本人では違うということである。違う人間が評価しているから完全に一致することはあり得ない。
 このようなことになるのであれば、仕事の報酬をその個人にとって面白い仕事にすれば良いのである。仕事の報酬は仕事であるべきなのである。
 日本的経営とはそのような人事システムであろう。内発的動機づけでモチベーションを上げるべきなのである。

3、全体主義の温床になる
 仮に、ある日本企業において、CプロジェクトとDプロジェクトが存在し、どちらのプロジェクトを採用するのか意見が二分した場合を考えてみよう。
 
 Aが「Cプロジェクトを採用すべきである」と主張し、Bが「Dプロジェクトを採用すべきである」と主張したら、Aが上司という立場から、異論を封殺したいがためにBの給与を著しく下げるような評価を下すという行動を採ろうとする。
 
 給与を下げられたくないBはAの意見に同調せざるを得ない。
 これはまぎれもなく全体主義である。このようなことになったら健全な事業を実行することはできない。
4、世代間伝承ができなくなる
 「成果主義」によって、いわゆる成果に連動して賃金や給料が決定されてしまったら、技術・知識・ノウハウなどの世代間伝達がスムーズに行われなくなってしまう。
 なぜなら、後輩などに技術・知識・ノウハウなどを教えたとしても賃金や給料に反映されないからである。
 つまり、世代間伝達のインセンティブがない。もし、後輩にさまざまなことを教えて自分よりも後輩の方が出世したら、教えた方はあまり良い気持ちにはならないだろう。
簡単に言えば、妬みが発生してしまう。
しかし、「年功序列型賃金」であれば、「生活保障型賃金」であるので、成果に連動してはいない。
教える方は、部下や後輩に抜かれる心配なしに技術・知識・ノウハウなどを教えられ、部下や後輩は技術・知識・ノウハウを蓄積する。
よって、企業の競争力が維持され、増強される。それが、後に給料にも定期昇給という形で反映され、世代間伝達がスムーズに行われるのである。
第三章 新日本的経営のすすめ
第一節 人件費削減、派遣切りに異議あり
 筆者は最近のいわゆる“派遣切り”について歯がゆく思っている。今時の経営者は労働者のことを生産に必要な部品としか思っていないのではないだろうか?
 非正規労働者を解雇して、赤字額を出来得るかぎり少なくしたい、理想を言えば黒字にしたいという下心が丸見えである。
 筆者は経営者の堕落であると思う。トップの任期の平均は二期四年で、この間は何としても黒字を維持したいのである。
 結局、経営者の保身のために労働者が解雇されてしまうのである。大不況の時こそトップが英断を下し、雇用を守り、従業員一丸となって不況を乗り越えようとする決意を示すべきなのである。
 そもそも人件費とは“費用”ではなく“投資”なのである。これから先、将来会社を担う人材を確保するための“投資”なのである。
 今、経営者に求められているのは、人件費にコスト意識を持つことではない。長期的利益の追求であり、未来を見据えた人材への“投資なのである。
 ここで、ひとつ提言させて頂く。非正規労働者を正社員に引き上げるべきである。
 生産性の向上、会社に対する忠誠心の増大、世論の支持、会社のイメージアップに寄与するのではないかと思う。好景気になったときにあわてて人手を確保する心配もなくなる。

第二節 将来の見通しと長期的利益をもたらす事業展開を
 バブル最盛期の頃、日本企業は「短期的利益を追求した刹那主義的経営」をしていた。しかしながら、バブルが崩壊したら不良債権だけが残り、競争力を失った企業が多い。
 はじめは収益性が低くても、長期的に安定な利益を生む事業を怠ってきたのである。
このような企業では10年後20年後の見通しは真っ暗である。
 10年後20年後がどうなっているのかわからない企業において、社員は長期的な利益を追求することができるのであろうか? 勤労意欲が湧いてくるのであろうか? 筆者はとても疑問に思うのである。
 いまこそ、本来の「日本的経営」世界最強の「日本的経営」に回帰すべき時ではないだろうか。
高橋伸夫氏の著作から引用して終わりたい。

【経済的苦境に陥ると、現場から遠い経営者ほど、ついつい安易に「切る論理」を探し始める。成果主義も年俸制も底に流れているのは「切る論理」であろう。しかし、それでは、一時的な業績回復はありえても、企業の永続的な発展は望めない。アイデアのない経営者ほど、マスコミの受けを狙って、安易な人件費削減をニュースにしがちである。確かに、短期的には市場も反応するだろう。しかし、そんなものはしょせんその場しのぎに過ぎないし、いつまでも削減し続けられるわけもない。市場が求めているのは、長期にわたって安定的に利益を出せるきちんとした事業構築なのである。むろん、それには時間がかかる。だから、今すぐにでも打ち出さなくてはならないのは、新しい事業戦略のアイデアの方なのだ。】(高橋伸夫、「虚妄の成果主義」P42~43)
引用・参考文献

東谷暁「経済再生は日本流でいこう」、洋泉社、2000年8月22日
深田祐介、ロナルド・ドーア、「日本型資本主義なくしてなんの日本か」、光文社、1993年6月30日
吉田和男、「解明 日本型経営システム」、東洋経済新報社、1996年7月25日
高木剛、「小泉構造改革の“迷夢”を断ち切れ」『正論』、2009年2月号P98
中條高徳、「再生の鍵は日本的経営の復権にあり」『正論』、特集 保守よ、今こそ「格差」を語れ 2008年10月号P180
赤木智弘、「アキバ殺人鬼が[英雄]になる日」『正論』、特集 保守よ、今こそ「格差」を語れ 2008年10月号P124
伊丹弘之「[ヒト重視]日本型経営が勝つ」『文藝春秋』、2009年1月号P113
高橋伸夫、「虚妄の成果主義」日経BP社、2004年
磯前秀二、「愛国心の経済学」扶桑社新書、2008年

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プロフィール

uematu tubasa

Author:uematu tubasa
平成生まれの尊皇攘夷派で、某国立大学の経済学部出身の
uematu tubasaと申します。

基本情報技術者、電子書籍作家。

失業と低所得と借金に負けない!
私は戦う、この残酷な世界で!

北朝鮮の核実験がきっかけで政治に興味を持った若者です。
『消費税廃止への進撃』
『ビジネスの種を蒔け』
『究極の空き家対策』
『家賃半額』を出版しました。

『住宅資産倍増計画(仮)』
『天皇最強説(仮)』を出版する予定です。

日本核武装論の出版が中期的目標です。

核武装推進論者、ネオクラシカルリアリスト(新古典派現実主義者)、地政学の基礎は理解しております。

自主憲法制定論者(現行憲法破棄、大日本帝国憲法改正)、女系天皇公認論者、暫定的な保護貿易協定推進論者、消費税廃止論者、経済ナショナリスト、公的家賃補助導入論者、対米自立論者、日米同盟堅持論者、反特定亜細亜、移民拒絶論者。

すべての売国法案に反対しております。

基本的には政策論を中心に書いております。国会議員の事務所へ陳情します。

ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

好きな漫画:ゴーマニズム宣言、金色のガッシュ、3月のライオン、進撃の巨人、もやしもん、ダイヤのエース、黒子のバスケ、銀の匙、鋼の錬金術師、ハイキュー!! アルスラーン戦記

好きなPCゲーム:泣きゲー全般(主にKey作品)

好きな食べ物:そば、寿司、天ぷら、おにぎり、トマト、ピザ、パスタ、ソーセージ、ポトフ、フィッシュ&チップス、ペペロンチーノ、フライドポテト。

好きな飲み物:緑茶、麦茶、カシスオレンジ、果実系ジュース、CCレモン、日本酒

好きな女性のタイプ:明るくて家庭的な日本人女性

趣味:読書(核戦略、地政学、国際政治学、経済学など)とジョギング(1日往復10kmを週に2日ぐらい)

特筆事項:性別は男性(遺伝子組み換えではない) 両親共に日本人

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