設備投資減税への批判~~後篇~~

大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。

~~~~以下は日経ビジネスオンラインより~~~~

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130610/249402/?rt=nocnt

「設備投資減税」で本当に景気が良くなるか?

「1粒で2度おいしい」のむなしい皮算用
木暮 太一
2013年6月13日(木)

政府は6月8日、追加で「成長戦略」の方針を打ち出しました。今回打ち出されたのは、民間企業の設備投資を後押しするための減税です。

 先日発表された成長戦略方針では、法人税の引き下げが見送られています。そのため、経済界からは落胆の声が聞こえていました。今回の減税打ち出しには、その「ガッカリ感」を和らげる意図もあると思います。

 ただ、政府の意図がどうであれ、それが「成長」に結び付けばいいだけのことです。

 安倍晋三総理は、「企業の設備投資を3年間で1割増の70兆円」とする目標を掲げています。この減税で、「設備投資1割増」を狙っているわけです。菅義偉(よしひで)官房長官も、テレビ番組で「(日本企業が)世界で戦うことのできる環境を整備したい」と語っています。

 同時に、こうした税制措置について政府は、年末に本格化する税制改正作業を、今秋に前倒しで始める方針です。菅長官は「税制改正はいつも12月だが、今までの形にこだわらない」とも述べ、早期に具体的に決めていく姿勢を見せています。

設備投資で「消費」と「成長力」の2兎を追う

 でも、なぜ設備投資の減税なのでしょうか?それは企業の設備投資が増えれば「1粒で2度おいしい」からです。

 設備投資とは、文字通り「投資」です。将来のために実力を高める、生産効率を上げるためにお金を使うのが、この設備投資です。

 設備投資とは、企業が生産活動に必要な設備や技術を「買う」ということです。「投資」という文字が入っていますが、株や外国為替証拠金取引(FX)などのいわゆる金融投資ではありません。そうではなく、工場を建てたり、生産ラインの設備を導入することです。

 「投資」と言っても、これも大雑把にみると「買い物」です。つまり、消費者が衣食住のために商品を買うのと同じように、設備投資は「消費」でもあるわけです。

 消費が増えれば、その分日本経済が活性化されます。それと同じように、企業が設備投資を増やせば、日本経済が活性化されるのです。だから景気を良くするために、政府は企業の設備投資を増やしたいと思っています。

 ただ、設備投資にはもう1つ意味合いがあります。設備に投資をすれば、それだけ生産効率や生産能力が上がります。実際にどれくらい生産効率が上がるかは個別のケースによりますが、少なくとも理論上はそれらを上げるために設備に投資をします。

 ということは、設備投資が増えることで、企業の成長力が高まるのです。

 設備投資が増えるということは、それらを“商品”として売っている企業の売り上げが増え、景気が上向くということ。そして同時に、企業の成長力が上がり、今後の経済発展に寄与するとういうことです。

 設備投資には、2つの側面がある。マクロ経済学では、これを「投資の二重性」といいます。すなわち、「1粒で2度おいしい」。その状態を目指して、政府は設備投資にかかる減税を打ち出したわけです。

 「そんな政策だったらすぐにやってほしい!」と感じることでしょう。ただし問題は、「設備投資減税」で本当に設備投資が増え、“1粒で2度おいしい状態”が生まれるかどうかです。

そもそも企業は「投資したい」とは思っていない

 ひとまず国の将来や、持続性を考えなければ、減税は誰にとっても「うれしい」ことです。消費者にとっても、企業にとっても。そのため、設備投資への減税は、企業に歓迎されるでしょう。ただし、それで実際に設備投資が増えるかどうかは別問題です。

 というのは、いくら減税されても「ムダ」なものに企業はお金を使わないからです。

 5月26日付の日本経済新聞によると、3月期決算の上場企業について、手元資金が「66兆5600億円」となったようです。これは過去最高です。つまり、企業が過去最高レベルのお金を、自分の手元に持っているということです。

 この記事を見て、「日本企業の業績が復活してきた」「日本企業が元気になってきた」と考える人もいますが、実際にはそうではないと思います。

 確かにアベノミクスによる“円安誘導”のおかげで、輸出産業は持ち直していますし、世の中の雰囲気としては元気になっているようです。しかし、「手元資金が多い=日本企業復活」ではありません。手元資金が過去最高レベルに達したということは、「過去最高レベルに稼いでいる」ということではなく、手元にある資金を有効に投資できていない、ということです。

 つまりビジネスチャンスがなく、お金の「使い道がない」ということです。

 本当に日本企業が元気を取り戻していたら、稼いだお金をどんどん再投資して、さらなる成長を目指していくはずです。

「実質無借金」の企業だって増えている

 同じような指標ですが、「実質無借金」経営の上場企業が増えている、というニュースもありました。

 手元にある現金などが借入金を上回る「実質的に無借金」の企業が増え、2012年度末では52%の企業がこれに該当しています。連結決算が本格化して以降、初めて半数を超えました。

 リーマン・ショックや東日本大震災を経験し、経営の安全性を重視して手元にお金を残しておこうとする企業が増えているという分析もあります。もちろん、(実質)無借金で会社を経営できれば、倒産のリスクは相当下がります。企業の安全性は高まるわけですね。

 ただ、本質的には「それ以上のビジネスチャンスがない」ことが原因だと、私は感じています。

 ご存じの通り、現在の日本はかなりの低金利でお金を借りられます。中小企業であっても、2%未満でお金を借りることができます。ましてや上場企業であれば、もっといい条件で借り入れができるでしょう。

 もし安定的に5%の利益を稼げるビジネス案件があれば、銀行から借り入れて、ビジネスに投資した方が利益が増えます。でもそれをしない。なぜか?

 そうです。「ビジネスチャンス」が少ないから、です。

では、設備投資減税の効果は?

 そう考えると、設備投資に関する税金を安くし「これまでよりも、気軽に設備投資できるようになりました!」と言っても、際立った効果が出るかどうかは疑問です。

 経営者の立場からすれば、高かろうが安かろうが、無意味なものは買いたくありません。もちろん、税金は高いよりも安い方が企業の活力、成長力は上がるでしょう。しかし、それ以前にビジネスチャンスが生まれてくるような環境にしなければ、投資もされず、減税の景気刺激効果もなくなります。

 アベノミクスで本当に重要なのは「成長戦略」だ、と評されることがよくありますが、その通りだと思います。ただ、それは企業がもっとビジネスを展開しようと思うような施策であるべきです。このままではいくら減税措置を講じても、効果が限られていると思います。

~~~~以上、日経ビジネスオンラインより~~~~~

木暮氏の主張を簡単にまとめます。

・設備投資減税を講じても、効果が限られていると思います。
・ビジネスチャンスがなく、お金の「使い道がない」から企業は設備投資をしない。
・手元にある現金などが借入金を上回る「実質的に無借金」の企業が増え、2012年度末では52%の企業がこれに該当しています。連結決算が本格化して以降、初めて半数を超えました。
・設備投資への減税は、企業に歓迎されるでしょう。ただし、それで実際に設備投資が増えるかどうかは別問題です。 というのは、いくら減税されても「ムダ」なものに企業はお金を使わないからです。
・設備投資が増えるということは、それらを“商品”として売っている企業の売り上げが増え、景気が上向くということ。そして同時に、企業の成長力が上がり、今後の経済発展に寄与するとういうことです。設備投資には、2つの側面がある。マクロ経済学では、これを「投資の二重性」といいます。

 
確かに、ビジネスチャンスが少なく、実質無借金経営が増えている経済環境では設備投資が増えにくいと言えるでしょう。

前篇でも申し上げましたが、継続的な政府支出の拡大で、需要を増やすしかありません。

成長戦略よりも実需が増える方が民間企業としても楽なのではないかと思います。
政府の意向に沿わない形でも儲かりますからね(*^_^*)


設備投資減税と補助金、そして継続的な政府支出の拡大という合わせ技が日本経済復活への近道なのです。

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プロフィール

uematu tubasa

Author:uematu tubasa
平成生まれの尊皇攘夷派で、某国立大学の経済学部出身の
uematu tubasaと申します。

基本情報技術者、電子書籍作家。

失業と低所得と借金に負けない!
私は戦う、この残酷な世界で!

北朝鮮の核実験がきっかけで政治に興味を持った若者です。
『消費税廃止への進撃』
『ビジネスの種を蒔け』
『究極の空き家対策』
『家賃半額』を出版しました。

『住宅資産倍増計画(仮)』
『天皇最強説(仮)』を出版する予定です。

日本核武装論の出版が中期的目標です。

核武装推進論者、ネオクラシカルリアリスト(新古典派現実主義者)、地政学の基礎は理解しております。

自主憲法制定論者(現行憲法破棄、大日本帝国憲法改正)、女系天皇公認論者、暫定的な保護貿易協定推進論者、消費税廃止論者、経済ナショナリスト、公的家賃補助導入論者、対米自立論者、日米同盟堅持論者、反特定亜細亜、移民拒絶論者。

すべての売国法案に反対しております。

基本的には政策論を中心に書いております。国会議員の事務所へ陳情します。

ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

好きな漫画:ゴーマニズム宣言、金色のガッシュ、3月のライオン、進撃の巨人、もやしもん、ダイヤのエース、黒子のバスケ、銀の匙、鋼の錬金術師、ハイキュー!! アルスラーン戦記

好きなPCゲーム:泣きゲー全般(主にKey作品)

好きな食べ物:そば、寿司、天ぷら、おにぎり、トマト、ピザ、パスタ、ソーセージ、ポトフ、フィッシュ&チップス、ペペロンチーノ、フライドポテト。

好きな飲み物:緑茶、麦茶、カシスオレンジ、果実系ジュース、CCレモン、日本酒

好きな女性のタイプ:明るくて家庭的な日本人女性

趣味:読書(核戦略、地政学、国際政治学、経済学など)とジョギング(1日往復10kmを週に2日ぐらい)

特筆事項:性別は男性(遺伝子組み換えではない) 両親共に日本人

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