なぜ私は空き家を深刻な問題と捉えるのか

大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。

~~~~~~以下は日経新聞電子版より~~~~~~
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO05767370W6A800C1K15200/
「空き家2000万戸時代」の備え 増加続けば地域荒廃
2016/8/7 5:30 日本経済新聞 電子版

団塊世代からの大量相続を控え「3軒に1軒が空き家」の時代を迎える。国や自治体も危険な空き家の強制解体などの対策に乗り出している。受け継いだ実家などを空き家にせず、なるべく経済的な負担を減らすための方策などを追った。

■再活用「仲介」制度 自治体が対策急ぐ

 「今の時代、余計な土地はありがた迷惑だわ」。徳島県西部の山麓で暮らす60代の女性はため息交じりに言う。代々受け継いできた築100年以上の長屋が空き家となり、取り壊しを決めた。その解体費に500万円もかかる。今では珍しい土壁づくりは取り壊す手間がかかり、費用がかさむ。「田舎なので土地を売れるかどうか」

空き家急増
3軒に1軒が空き家になる──。野村総合研究所は衝撃的な予測を発表した。2033年に全国の空き家は2167万戸と13年時点の820万戸から2.6倍に急増し、総住宅数に対する空き家率は13.5%から30.4%まで上昇するという。単純にいえば、自宅の両隣のどちらかが空き家になる計算だ。

 日本の総人口は減少に転じている。団塊世代から団塊ジュニアへの実家の相続も大量に発生し、“家余り”が加速する。「実家の方が地の利がよくても、子供の通学や家の使い勝手などから実家に引っ越す例は多くない」と税理士法人レガシィの天野隆氏は言い、実家の空き家化が進む。

 「日本全体の空き家率が20%を超えると住宅地の荒廃が進むエリアが増える」(野村総合研究所の榊原渉氏)ため、地域にとっても大きな問題だ。空き家を嫌って住民が地域外に流出し、さらに空き家が増えて街が荒れる可能性もある。

 こうした危惧があるため、15年には「空き家対策特別措置法」が施行された。倒壊する恐れのある「特定空き家」に対し、修繕・解体を勧告したり命令したりする。代執行で取り壊すことも可能だ。

 ただ、15年秋に神奈川県横須賀市が所有者不明の空き家を取り壊した際は、市が解体費用約150万円を負担した。今年7月に須磨区の空き家2件を建築基準法に基づいて取り壊した神戸市も費用の約590万円は「これから回収を進める」といい、確実に回収できるとは限らない。本来は空き家の所有者が費用を負担するが、所有者が資金に余裕のない高齢者という例も多い。

 そのため古い空き家をうまく活用する方法を模索する自治体は多い。例えば空き家の情報を集めて住みたい人に提供する「空き家バンク」だ。全国の自治体の7割が設置し、地域外からの移住者などを募る。

 山梨市は06年に空き家バンクを始めた。市内の宅地建物取引業者が所有者と入居者の間に入り、売買などの契約をスムーズに進められるようにした効果もあり、賃貸や売買が80件ほど成立した。横浜市出身で、07年に山梨市に移住した網倉勇太氏(39)も空き家バンクを利用した一人。荒れ放題の築70年以上の古民家を友人の手も借りつつ自ら改修してきた。移住後に始めた巨峰の栽培も軌道に乗り始め「住まいも仕事も楽しんでいる」と笑顔で話す。

 国土交通省は自治体の空き家バンクの情報を集約し、入居希望者がインターネット上で条件に合う物件を検索できるシステムを構築する方針だ。全国の空き家を一括検索できれば地方移住希望者などの需要も掘り起こせる。

 空き家問題の解決には「税制などを変え、多くの人がセカンドハウスを取得しやすい環境を作り、移動人口を増やすことも有効」(野村総合研究所の榊原氏)との指摘もある。

 空き家の増加抑制には中古住宅の市場活性化も必要だ。住宅流通に占める中古の割合は米国や英国は9割を占めるのに対し、日本は15%程度にとどまる。空き家問題は必要以上に家を造ってきたツケでもある。富士通総研の米山秀隆氏は「減税や補助金も活用しながら、良質な中古住宅を循環させる必要がある」と話す。

「今の時期は草刈りだけでも大変で……」。広島県福山市で暮らす40代の会社員女性は困惑気味にいう。義父が1月に亡くなり、長男である夫が実家を相続した。だが夫婦の自宅は別にある。1~2カ月に1度は手入れをするために車で1時間近くかけて実家へ向かう。「手間と時間がかかって仕方がない。今は墓参りの後に親戚が実家に集まることもあるけれど、将来使い道がなくなったらどうしよう」。手放すわけにもいかず、悩みは尽きない。

■住まぬ実家「安くても売る」が賢明

 相続した実家を持て余す人は「特定空き家」にならないように注意したい。市町村に倒壊や景観を損ねる恐れがある「特定空き家」に指定されると、土地の固定資産税が更地に比べて6分の1になる措置がなくなる。
相続と空き家

国は税制を空き家減らしに活用しようとしている。例えば今年の税制改正で、実家の持ち主である親が亡くなったとき、相続人である子供が親と同居していなくて空き家になっても相続した実家を売却する際に3000万円の譲渡所得控除を受けられるようにした。譲渡の課税率は約20%なので、税負担が600万円ほど軽くなる計算だ。

 特例控除を使うには(1)1981年以前の建築であること(2)譲渡金額が1億円以下(3)相続日から3年後の年末までに売ること──などが条件で、マンションは対象外だ。税理士法人レガシィの天野隆氏は「画期的な税制改正で、空き家問題が起きなければ実現しなかった」と評価する。過疎が進む地方ほど空き家の借り手などは見つかりにくく、地価が安いとはいえ年間の固定資産税は数万円かかる人が多い。維持の手間とコストを考えれば、「安くても売れるときに売るのが賢明」(天野氏)だ。

 とはいえ、地方であるほど売却しにくいという問題がある。相続税は原則として現金で納めねばならない。物納もできなくはないが「最近では売れにくい物件を受け付けてくれない。自治体に寄付する手もあるが、難しい」(天野氏)のが実情だ。

 そこで重要になるのが空き家になる前の備えだ。税理士の福田真弓氏は「事前に有利な相続の仕方を家族で考えておく」と指摘する。例えば、親が自分が生きている間に自宅を売るという選択がある。取得時より高く売れた場合、譲渡所得に対して税金がかかる。だが長く住んでいれば3000万円の控除がある。親が存命のうちから家族同士の相談は欠かせない。

 「空き家問題は結果論。空き家にしないよう考えておくべきだった」。空き家の相続に悩んでいる東京都内に住む20代の会社員男性はこう話す。夏場はサーファーでにぎわう房総半島の千葉県いすみ市に築30年の一戸建てを持つ。「民泊利用も考えているが、規制の関係で二の足を踏む」。リフォーム代がざっと200万円はかかる。そのため踏み切れず、結局何もしていない。

 思い出の詰まった自宅や実家を手放すのは容易ではないが割り切りも必要。今後は都会でも郊外の住宅地を中心に中古物件などが増える恐れがあるため、売れる物件は生前に売るのも一手だ。家族のために築いた財産で家族を苦しめないよう家の行く末も考えておこう。

「最近では大地主だけでなく、敷地が100坪(約330平方メートル)以下の地主さんからも相談がある」。自ら不動産会社を経営する全国空き家相談士協会(東京・杉並)の林直清会長は、相続税対策を巡る関心の高さを実感する。

■相続対策アパート乱立、空き家問題に拍車も
融資 アパート残高

 転機は2015年の相続増税だった。それまで税金がかからない非課税枠が「5000万円+法定相続人1人あたり1000万円」だったところ、「3000万円+1人あたり600万円」に大幅に減った。それだけ相続税を払わなくてはならない人が増えることになる。相続税の課税対象者は10万人超と、改正前の2倍以上に増える見通しだ。

 相続税の節税対策として、アパート経営に飛びつく地主が増えている。現金で1億円は相続財産の評価としても1億円。不動産の場合は、実際に売買する際には1億円の価値があっても、評価は路線価などを使うために数割評価を下げられ、相続税の対象となる財産を圧縮できるためだ。

 アパートの建設は地価が高い都市部に限らず、地方でも目立ち始めている。攻勢をかけるのが地方銀行だ。新潟県を地盤とする第四銀行(8324)は昨年6月、長野市に営業所を開いた。窓口やATMは設置せず、主にアパートローンや住宅ローンの獲得を狙う。資金需要を掘り起こそうと、県域をまたいで営業に乗り出した。今年3月までに20億円の融資を達成し、既に目標額を3割上回った。

 実際、賃貸住宅向け融資は全国で急増している。日銀によると、地銀など国内銀行の個人向け融資残高は、3月末時点で約21兆5000億円と過去最高になった。1~3月期の新規貸出額だけで1兆円を超えており、個人の借り入れ需要は盛んだ。一般的にアパートの建築費は約1億円とされる。融資先の多くが地主であるため、景気回復がもたつく中で金融機関の“有望”な貸出先だ。

 アパート建設で注意したいのが、節税のために建てれば終わり、ではない点だ。基本的には空室率を抑えつつアパート経営をしていかねばならない。住宅メーカーの中には空室が出ても収入を約束する「家賃保証」が付くところもあるが、10年を超えると賃料が下がるケースもある。経年劣化に伴うメンテナンスも必要で、アパートの経営者になる覚悟が求められる。

 加えて入居者の確保は一段と難しくなっている。不動産調査会社のタス(東京・中央)によると、東京23区や千葉県、神奈川県のアパート空室率は35%前後と高水準だ。相続税対策によるアパートが乱立し、供給過多になっている。人口が集中する都市部でさえ、状況は良くない。

 特に地方では人口減少が急速に進んでおり、いずれは世帯数も減少に転じる。国立社会保障・人口問題研究所の試算によると、全国の世帯数は19年に約5300万世帯とピークを迎え、35年には7%少ない約4900万世帯まで減る。立地が悪く、他のアパートに比べて住居設備が見劣りすれば空室リスクが付きまとう。目先の相続税対策にとどまらず、長期の経営視点が欠かせない。アパートの乱立が結果的に空き家を増やす恐れもある。

蛭田和也、南毅郎が担当した
[日経ヴェリタス2016年8月7日付け]
~~~~~~以上、日経新聞電子版より~~~~~~~

さて、個人投資家や大家さんは必見の日経新聞の記事をご紹介しました。
本日は簡単にではございますが、私の空き家に対する問題意識というのを記述してみたいと思います。

空き家を経済学的に定義するならば”遊休戸建て住宅”となります。
つまり、使用されず、遊んでいる(遊ばれている?)戸建て設備という意味です。

これって、せっかくの住宅投資が無駄になっているということです。
経済学的に言えば、住宅は資源であり、設備であり、資産なわけですよ。
それが無駄になっている、言い換えるならば効率的に使用されていないわけです。
そんな状況って何かおかしくないか・・・と私は思いました。

そこが私の空き家問題に対する考え方の原点と言えるでしょう。
そして、上記の日経新聞の記事でもそうですが、不思議なことがあります。
空き家問題が日本政府や地方自治体が積極的に関与して解決しなければならない問題であるという意識が希薄なのです。

最近では、空き家対策特別措置法や”空き家バンク”などがニュースに流れるなどしているため、風向きが変わってきてはいますが、空き家急増のトレンドが逆転するには至っておりません。

これは経済学における主要な論点にも関わることでもあります。
つまり、政府の市場への介入は是か非かという問題です。

ここで経済思想的なお話は省略し、私の個人的考えだけを書きたいと思います。
市場の失敗、言い換えるならば民間部門が自由放任され、社会的に望ましくない結果をもたらした場合には政府は積極的に介入するべき」だと考えます。

歴史的事実を述べますと、かつて日本が高度経済成長期だった時代には公害問題が発生しました。
企業が好き勝手汚染物質を放出した結果、公害という社会的に望ましくない結果になりました。
さて、それは”神の見えざる手”で解決する問題でしょうか。

それは否!

政府の介入で規制を強化して、市場の失敗を是正しなければ解決しなかったのは明白です。
空き家問題も同じことなのではないかと考えています。

空き家とは何か、どのように定義できるのか
空き家が急増する原因は何か
空き家が日本経済に及ぼす悪影響とは
現状の空き家対策は有効なのか、効率的なのか
空き家を駆逐するための解決策とは


これらを理論的体系としてまとめる時期に来ているのではないかと考えているわけですよ。

そして、それこそが「究極の空き家対策」となるのです。

以上です。
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プロフィール

uematu tubasa

Author:uematu tubasa
平成生まれの尊皇攘夷派で、某国立大学の経済学部出身の
uematu tubasaと申します。

基本情報技術者、電子書籍作家。

失業と低所得と借金に負けない!
私は戦う、この残酷な世界で!

北朝鮮の核実験がきっかけで政治に興味を持ちました。
『消費税廃止への進撃』
『ビジネスの種を蒔け』
『究極の空き家対策』
『家賃半額』を出版しました。
『雇用、所得、物価の一般理論(仮)』
『我が国日本の海洋戦略(仮)』
『日銀は錬金術師(仮)』
『ケインズは二度死ぬ(仮)』
『なぜバターがスーパーから消えたのか(仮)』
『住宅資産倍増計画(仮)』
『天皇器官説(仮)』
『移民拒絶論(仮)』
『人口補完計画(仮)』
『地政学の強化書(仮)』を出版する予定です。

日本核武装論の出版が中期的目標です。

核武装推進論者、ネオクラシカルリアリスト(新古典派現実主義者)、地政学を国立大学の必須履修科目にするべきと考えています。

自主憲法制定論者(現行憲法破棄、大日本帝国憲法改正)、女系天皇公認論者、暫定的な保護貿易協定推進論者、消費税廃止論者、経済ナショナリスト、公的家賃補助導入論者、対米自立論者、日米同盟堅持論者、反特定亜細亜、移民拒絶論者。

すべての売国法案に反対しております。

基本的には政策論を中心に書いております。
ご意見ご感想をよろしくお願い致します。

好きな漫画:ゴーマニズム宣言、金色のガッシュ、3月のライオン、進撃の巨人、もやしもん、ダイヤのエース、黒子のバスケ、銀の匙、鋼の錬金術師、ハイキュー!! アルスラーン戦記

好きなPCゲーム:泣きゲー全般(主にKey作品)

好きな食べ物:そば、寿司、天ぷら、おにぎり、トマト、ピザ、パスタ、ソーセージ、ポトフ、フィッシュ&チップス、ペペロンチーノ、フライドポテト。

好きな飲み物:緑茶、麦茶、カシスオレンジ、果実系ジュース、CCレモン、日本酒

好きな女性のタイプ:明るくて家庭的な日本人女性

趣味:読書(核戦略、地政学、国際政治学、経済学など)とジョギング(1日往復10kmを週に2日ぐらい)

特筆事項:性別は男性(遺伝子組み換えではない) 両親共に日本人

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